うどん屋は初期投資がかなり低いため、脱サラをしてうどん屋を営む人も多く、近所にはこぢんまりとしたうどん屋さんがけっこうあったりする。地方にも、こんなところにうどん屋があったのかと感心してしまうほど小さなうどん屋があったりするものである。わたしの知っているうどん屋さんも、その例に漏れることなく、家族ぐるみでやっているお店なのだが、とにかくその店主のおじさんが風変わりであり、わたしが行ったうどん屋のなかでも、群を抜いて変わっているうどん屋であった。何故、近所にあるうどん屋が変わっているのかと言うと、まず営業が不定期であるという点である。
それだけならばまだいいが、のれんが出ていたりいなかったりするので、いつやっているかよくわからないというのが実情である。店主がわたしの父と面識があるのでで、あまり気にすることなく店内に入って、営業中かどうかを確認するのだが、何の面識もない人が、営業しているかどうかもわからないうどん屋に入るのは、かなり度胸が必要と思われる。また、うどんが提供される時間がまちまちである。基本は1時間くらい待たされると思っていた方がいい。
麺を打ってから茹でるので、時間がかかるのが原因である。しかし、こだわりがあって、そのスタイルを貫いているのであればいいのだが、店主の気まぐれでたまに作りおきがあって、注文してから10分足らずで提供されることもあった。このうどん屋は亭主の采配によって全てが決まる。わたしが知る限り非常に変わったうどん店である。